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『トロルのなみだ』

   
リン・ストッケ(作)/ハンス・ノルマン・ダール(絵)やまのうちきよこ(訳)

トロルは、北欧の伝承に登場する妖精であり、そのイメージは大きくて乱暴でいたずら好きとか、醜い姿で賢くは無い等である。架空のものではあるが生活に密着しているのも事実のようで、案外憎めない扱いをされているようです。絵本では「三びきのやぎのがらがらどん」に登場し、また他の小説にも登場していますね。さて、今回の「トロルのなみだ」は読み応えのある長編物の絵本です。

北欧の森に住むトロルの子のトリムは、顔もお腹も鼻も目も丸い小さな男の子。それはもう父さんトロルが大好きで一緒に魚釣りをし、父さんのお話を聞くのがぞくぞくするほど楽しくて、いつも一緒でした。

ある日、父さんは病気で亡くなってしまいました。昨日まで元気だった父さんは、目をつぶったまま何も答えてくれない。父さんは、小さな涙を残して 逝ってしまいました。トリムは慌てました。何故って・・・、トロルの住むトロル村では、涙を出してはいけない規則があるからです。悲しい時も嬉しい時も のどの奥から湧き出す涙を、飲み込まなければいけないと教わってきたトリムは、父さんの涙を誰にも見つけられないように大事にポケットにしまいました。父さんの死を悲しむトリムも、喉の奥から涙があふれてくるのを我慢して哀しみをぐっと飲み込んだのでした。ポケットの「ナミダ」は、突然トリムに話しかけて告白をしました。トリムは父さんのナミダと一緒に冒険にすることになったのです。

【紹介者あとがき】

『・・・涙は痛みや苦しみを洗い流すのよ。そうすると、その場所に、新しい喜びが入ってくる』と涙を流す事は、悪いことじゃないと冒険を通じて語りかけています。ちょっとの別れや永遠の別れの哀しみも経験しなくてはならないのですが、真実をうけとめ生きる為の過程として、感情のコントロールが大事であるようです。それを左右するのは、絆かもしれません。失意のドン底にあっても支えてくれるものがあるから明日への希望をもつことができるようです。たとえそれが、すぐ側にいない人の支えであっても、自分の胸のなかにあれば生きていけそうです。

まま
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