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『びくびくビリー』

   
アンソニー・ブラウン(作)/灰島かり(訳)/評論社

気の弱くってビリーって名前の子のお話しでしょ?とタイトルからの想像を裏切らない絵本でした。ビリーは、いつもびくびくしていていました。その上お天気の事や自分の事も気になって夜ベッドに入っても眠れないのです。漫才師で地下鉄の電車はどうやって地下にもぐったかと気になって夜も眠れないと言っていた大人もいましたが、ビリーの心配も色んなことがあって、パパやママがなぐさめても心配はとまらないのです。

ある日、ビリーはおばあちゃんに「弱虫じゃないけど眠れないんだ」って打ちあけます。おばあちゃんは、ビリーに「しんぱいひきうけ人形」を差し出して、この人形に心配事を話してごらん。そして「しんぱいひきうけ人形」を枕の下に入れれば、グッスリ眠れると教えてくれたのです。

この心配ひきうけ人形は、グアテマラという国に昔から伝わる人形です。聞いたことはあるけどグアテマラって何処にあるのかしら、と地理オンチの方には、北アメリカと南アメリカがつながる細長い部分の付近って言えばわかるでしょう。メキシコのある辺りです。マッチ一本ほどの大きさの木切れに布や糸を巻きつけて作った人形です。この人形に心配事や悩みを打ち明けて枕の下に入れて眠ると、眠っている間に心配事や悩みを取り除いてくれるというのです。ウォーリードール(Worry Doll)といい、グアテマラだけでなく世界のあちこちに存在するそうです。

【紹介者あとがき】

大人の気持ちでは、計り知れない多感な幼少世代。道で拾った石ころが気になってポケットに仕舞い込んだり、傷んだ食べ物を捨てられなかったり…。子供の心は不思議な世界の中にあります。ずっと昔に子供だった大人には、理解できないものかもしれません。子供自らが作り出した空想の中に人形を自分としてみるという人形を媒体としたゴッコ遊びも、まさに自分だけの世界であり、現実と行ったり来たり出来る貴重な時間ともいえるでしょう。人形は宝物であり自分の分身だと信じた事や気持ちを委ねて安らぎを得るなんて、大人になった過程の何所かで失くしてしまったみたいです。純粋な子供の気持ちを探しながら、ウォーリードールに悩みを打ちあけて、枕の下にこっそりと忍ばせて眠ってみましょうか。

まま
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