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| 『夕ごはんまでの五分間』 |
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イヴァ・プロハースコヴァー(作)
ヴァーツラフ・ポコルーニー(絵)/平野 卿子(訳)/偕成社 |
バベタ、君は僕と血の繋がりはない。
夕ごはんの支度をお母さんがしている間にお父さんとバベタの会話が始まります。バベタはお父さんにお話を催促するのです。夕ご飯が出来るまでの短い間に、お父さんとお母さんの出会いや自分の生まれた環境、そして目が見えるようになるまでの生活を「お話をして。」とお願いするのです。
お父さんの語り口が、バベタに安心を与えてくれるようです。バベタとお父さんは血の繋がりはありません。それをバベタは知っています。幼いときから、お父さんとバベタの間には沢山のお話がなされたことでしょう。お父さんはバベタに本当の事を話しますが、言葉を選んだ語り口がバベタを優しく包んでいます。
会話の中にバベタの健やかな成長を感じることができます。世間の血の繋がりこそ真の親という概念は、バベタとお父さんには関係ありません。理解と愛情こそが親子の繋がりを強くしているとこの絵本は語っているようです。
君がお母さんのお腹にいる時に、僕は君のお母さんに恋をした。君が生まれて、僕は君のお父さんになれた。君とお母さんと僕の三人が家族となった。君は、お母さんと僕に祝福されて産まれてきた。君を知っている人の誰もが祝福してくれた。ただ一人君の本当のお父さんを除けばね。
君は元気に生まれてきた。だけど目が見えないってことも背負っていたことに、皆が悲しんだ。でも君は、幸せを運んでくれたんだよ。愛する人と暮らすことも、こうやって君を膝に乗せて夕飯前にお喋りする時間が持てたことも君のおかげなんだ、とお父さんの胸の内にはあるかもしれません。
【紹介者あとがき】
今日は誰と対話をしましたか。
今日の出来事、昨日のことも、ずっと前の事も含めて、言葉を選んでゆっくりと語り合う事が出来ていますか。時計の針の進み具合に焦る気持ちをちょっと横に置いて、埋没しかねない「ふれあい」を捜し出してみなきゃと思う秋の日です。
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