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| 『おぢさんの小さな旅?』 |
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| 竹中直人(文・絵)/講談社 |
異色の絵本作家の誕生です。50歳の誕生日に初めての絵本を出版した竹中直人さんは、美大出身で24年ぶりの絵を描かれたそうです。
小さなリュックを背負ったオジサンが夜空のもとに旅に出て行きます。小さな旅?と疑問符がついており、旅に行くのか、はたまた小さな旅なのに何故か戻ってこないような錯覚も感じられる表紙に目が釘付けになります。
オバサンパワーはいまや巷に溢れており、どこでもその威力を感じます。かたや、オジサンはどことなく元気がないように見受けられますが、小さな楽しみをリュックに詰め込んで旅にでます。
この絵本の旅は、過去にむかっての旅のようです。『僕』の記憶と思い出を織り込んで、おじさん達が登場します。東京の水餃子店の『せんばさん』、岩手の額縁屋の『人見さん』、瀬戸内海のお坊さんの『つるひささん』、横須賀の『リッチモンドさん』、喫茶店の『しげる夫さん』、なぞのおじさん『とろおじさん』などと、まぁ興味をそそる『おじさん』が13人出てきます。一人一人のおじさんのお話に、おじさんの肖像画風の顔の絵が添えられており、その絵がとてもシュールな感覚です。現実的であってそうでもないような、インパクトのある絵です。
なんとなく竹中直人さんの雰囲気も感じられます。『こんなおじさん、居たかも』と思わせる文章と脂ののったコテコテのおじさんの絵にグングン引き込まれます。
【紹介者あとがき】
ちょっぴり哀しいねと思わせるおじさん達。
そして子供の時の『ぼく』から見たおじさんは大きな存在だったなぁ。怖いけど目は優しくて…。なんか変だけど一本筋が通っていて何事にも動じない主義を持つおじさん。親は、関わるのはよしなさいと嗜めるけど、そんなおじさんにくっ付いていたかったな。
生活全部をひっくるめて魅力のある昔のおじさん。反骨精神を持った偏屈おじさんは、今もどこかで健在であってほしい。長い人生の中で、針の先ほどの点の様な影響力を持つおじさんに成りえるだろうかと我が身を振り返るきっかけを作ってくれるんじゃないかなと思える絵本です。
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